総合診療専門医更新試験を受験してみた|事前準備、当日の流れ、AI活用で感じたこと
総合診療専門医更新試験を受験してみた|事前準備、当日の流れ、AI活用で感じたこと
2026年10月11日、総合診療専門医の更新試験を受験しました。
これから受験する先生方の参考になればと思い、忘れないうちに試験前の準備から当日の様子、実際に受験して感じたことを記録しておきます。
あくまで2026年度に私が受験した際の体験談です。来年度以降は試験方法やルールが変更される可能性があるため、最新の公式案内を確認してください。
1.試験前の案内が分かりにくい
試験前に最もやきもきしたのは、プロメトリック社の案内と日本専門医機構からのHPやメールの説明に、食い違いがあるように感じられたことです。これはLINEのオープンチャットでも同じ意見が多数あがっていました。
例えば、試験の開始時刻やログイン時刻、使用できる機器などについて、どの説明を優先すればよいのか迷いました。
私自身は、プロメトリック社の説明には他の試験にも共通する一般的なルールが含まれていると考え、総合診療専門医更新試験に関する日本専門医機構からの個別の案内を優先しました。
結果的に、私の場合はそれで問題なく受験できました。
2.使用したパソコンと試験環境
私は自宅の27インチのデスクトップパソコン(iMac)を使用しました。
当初は13インチのノートパソコン(MacBook Air)で受験する予定でしたが、事前に模擬問題で確認したところ、画面が小さいと問題文と選択肢が同時に表示しにくく、画面上で重なってしまうことがありました。
そのため、大きな画面で問題全体を見やすいデスクトップパソコンに変更しました。
また、iMacの手前には13インチのノートパソコンを置き、ChatGPTで医学的な情報を確認するために使用しました。つまりパソコン2台使用です。書籍も置いてましたが開きませんでした。
試験前には、受験者のオープンチャット(LINE)で「トイレには行けるのか」「飲み物は置いてよいのか」「iPadやノートパソコンを使ってもよいのか」といった質問が飛び交っていました。
私も過去の受験者の体験談などを参考にして準備しました。
ただし、補助端末やAIの利用可否については、年度ごとの正式な受験規則で確認する必要があると思います。
3.当日のログインと試験開始
案内上の試験開始時刻は9時15分、受付の受付締切時間(デッドライン)は9時でした。
プロメトリックの説明を読むと、「9時」にログインして9時15分から試験が始まるようにも受け取れました。一方で9時を過ぎたらログインできないみたいな記載もありました。
9時にログインなのか9時「までに」ログインなのか。。。。
日本専門医機構からは8時45分までにログインするよう案内がありました。(そうだよね)
そのため私は余裕を持って8時30分頃からログインしました。
システムチェック(パソコンの要件やカメラ・マイクの状態のチェック)が自動で進んでいき「事前準備」という画面が表示され、そのページまで進むと「次へ」のボタンが押せない状態でした。
8時45分になると先に進めるようになり、そのまま9時15分を待たずに試験が開始されました。
これは予想外でした。え? 9時15分になってないけど、もう制限時間のカウントダウン始まったから解き始めていいんだよね?
少なくとも私が受験した際は、案内されていた試験開始時刻まで待機するのではなく、手続きを進めると試験が始まる仕組みのようでした(これは案内には書いてないです)。
4.試験時間と問題形式
開始するとブラウザは全画面表示に切り替わります。
試験時間は200分、問題数は100問でした。
単純計算では1問当たり2分です。
でも1問につき3分の制限時間が個別にあり、画面にカウントダウンがでます。0になると自動で次の問題に行ってしまいますので選択肢をチェックしたあとに「次へ」を押す必要があります。(自動で次に行った場合、未回答になるのか、選択肢につけたチェックは有効なのか不明)
回答は5択から選ぶ形式でしたが、特徴的だったのは「適切なもの(優先的なもの)を4つ選べ」という設問が多かったことです。
例えば、5つの選択肢の中から正しいものを4つ選び、結果として不適切な1つを除外するような問題です。
重要なのは、「次へ」を押すと前の問題には戻れないという点です。
そのため、回答を確定する前に、選択内容をしっかり確認する必要があります。
試験中は離席はしませんでした。AIが監視している旨表示が出ていました。デスクの上にグラスを置いて水を飲んだりしました。カメラとマイクはONになっていますが警告も出ずに終わりました。
5.医学的な知識と問題の難易度
私のバックグラウンドは、総合内科専門医・総合診療専門医・家庭医療専門医で、病院勤務を経て現在はクリニックで勤務しています。総合診療専門医は特任指導医からの受験で資格取得しています。
今回の問題は、これまでの臨床経験をもとに考えることで対応できるものがほとんどでした。
個人的には、まったく見当がつかないような問題は特にありませんでした。
もちろん、これは私自身の経験による感想であり、受験者の専門領域や臨床経験によって難易度の感じ方は違うと思います。
たとえば◯◯スコアなど、は完全に暗記していなくても調べれば大丈夫です。実臨床でもよく使うスコアは暗記してますが、そうでないものは必要時に資料を見たりアプリでスコアリングしていますので実臨床と同じだなと思いました。
試験で外部資料の参照が許可される条件であれば、こうした内容をすべて暗記する必要はなく、必要に応じて調べるという考え方もあると思います。
今回の試験は、単に知識を暗記しているかどうかの確認ではなく、問題を通じて医学的知識を整理し、学び直してもらうという意図もあるのではないかと感じました。
6.ChatGPTを使ってみて感じたこと
私は補助的な情報確認手段としてChatGPTを使用しました。
医学的なガイドライン、疾患の特徴、薬剤の適応、診断基準などを確認するのには役立ちました。
一方で、使ってみて大きな反省点もありました。
ChatGPTとのやり取りに集中しすぎて、試験画面の「次へ」を押し忘れてしまったり、3分の制限時間を超えてしまって自動的に次の問題に進んでしまったことです。
その結果、数問が未回答となってしまいました。
また、ChatGPTの回答が常に正しいわけではなく、自分の知識と異なる場合には、追加で質問して根拠を確かめる必要がありました。え?それおかしくない?という回答の時にChatGPTに気持ちを入れ込んでしまうと回答時間を過ぎてしまい本末転倒でした。
調べることに時間を使いすぎると、本来は自分で解ける問題にも必要以上の時間をかけてしまいます。ChatGPTにはあえて漢字は変換せずに、ひらがなをひたすら打ち込んでました。(問題文はコピペできない仕様ですし、スクリーンショットなどは禁じられています)
振り返ると、ChatGPTを使わなくても解ける問題がほとんどだったと思います。
次に同じ形式の試験を受けるなら、まず自分で解答を判断し、本当に確認が必要な部分だけを調べるようにします。 ちなみに私は事前の勉強はしていません。
そして、調べることよりも、回答を確定して「次へ」を押すことを優先すると思います。
7.試験を終えて
試験時間は200分ありましたが、私は90分程度で終わりました。
一瞬で答えられるような問題もあり、すべての問題に均等に時間を使う必要はありませんでした。
終了後は、まずほっとしました。
一方で、確認作業に時間を使いすぎて未回答になった問題があったことは反省点です。
今回の試験を通じて、日常診療で培ってきた知識や経験が役立つことを改めて実感しました。
また、分からないことを調べる能力も重要ですが、限られた時間の中で判断して先に進む能力も必要だと感じました。
8.これから受験する先生方へ
私自身の経験から伝えたいことをまとめます。
- プロメトリック社の一般的な案内と、日本専門医機構からの個別の案内をよく確認する。 当日焦らないように数日前から見ておく。2025年も2026年も書いてあることに違いがあり悩むので、不明点は機構に問い合わせしておく。迷った時は機構の案内を優先。
- ログインは指定された期限より余裕を持って行う。
- パソコンは問題文と選択肢を同時に確認しやすい大きな画面が便利。
- 「次へ」を押すと戻れないため、回答の確定操作に注意する。
- 調べることに時間を使いすぎない。
- 日常診療で身につけた知識や臨床経験を大切にする。
- AIや外部資料の利用については、その年度の正式な受験規則を必ず確認する。
今回の体験談が、これから更新試験を受ける先生方の不安を少しでも軽減し、準備の参考になれば幸いです。